防衛省公募に応募しなかった大学への要望書   

2015年 10月 15日

   大学学長様             2016年3月

          大学の軍事研究に反対する学者・市民     名

日頃、学問発展のためにご奮闘されておられますことに敬意を表します。

ご存知のとおり、昨年、防衛省の軍事に関する研究の初の公募があり、本年も行われるものと思われます。私たちは以下に述べる理由により貴学がこれに応募することのないよう要望いたします。

大学は学問研究の場であり、学問研究の目的は真理の探求を通して、人類社会の発展向上、人類の幸福増進に貢献することにあります。人と人が殺し合う戦争は、人類社会の健全な発展を阻害し、人類の幸福を破壊する最たる行為です。学問が戦争に奉仕することがあってはなりません。特に戦争放棄を定めた憲法9条を持つわが国において大学が戦争に協力することは許されません。

 時の権力によって学問が歪められた過去の歴史への反省に立って、憲法23条は大学が権力から独立し、自らの良心に従って学問研究を行う自由を保障しています。大学は時流に流されることなく、学問本来の目的に沿って研究を行うことが求められています。国民の大多数は学問研究の成果が軍事のために利用されることを決して望んでいません。大学は国民の期待を裏切ってはなりません。

憲法9条及び憲法23条の存在によって、戦後70年間、大学が時の政府によって軍事にかかわる研究を求められることはありませんでした。今回の防衛省の初の公募が、多くの憲法学者によって憲法違反とされた安全保障関連法の成立と時を同じくしていることは決して偶然ではありません。

防衛省の公募要項には、「依頼する研究内容は、将来の装備品に適用できる可能性のある基礎技術」と明確に書かれています。このような軍事利用が明白な研究の公募に大学が応募することは、学問研究の目的を忘れ、そして憲法9条及び憲法23条の意義をも忘れた、大学の自殺行為と言わなければなりません。大学がひとたび軍事研究に手を染めれば歯止めを失います。大学が全面的に戦争に加担した70年前の歴史を繰り返してはなりません。そのことへの痛切な反省のもと軍事研究との断絶を堅く誓った日本学術会議の声明(1950年及び1967年)をいまこそ想起すべきです。

 私たちは、貴学が学問研究の場としての大学の使命、そして戦争放棄を定めた憲法9条および学問の自由を保障した憲法23条の意義に思いを致し、軍事研究とは一線を画し、今後、防衛省の軍事にかかわる研究の公募に応募することのないよう強く要望いたします。  以上

付記 新潟大学は昨年10月、軍事に寄与する研究は行わない規定を作成しました。私たちは貴学も同様の規定を作成することを要望します。

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by dgunk | 2015-10-15 18:05

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